Leo's diary

日々の生活の中で考えたこと、学んだことを整理して伝えるために書いています。

『愛するということ』を読んで考えたこと

4年振りのブログ!以前は敬体で書いていたが、面倒なので常体で書くことにする。その方が取り繕わない本心が書ける気がする。

さて、コロナ禍の3年ほど、私は以前よりもさらに人と会わない生活が続いてきた。
1人でいるのは苦ではないが、元々人付き合いが多くなかったため、仕事以外では極端に人に会わないようになってしまった。そのことで無気力な毎日になっているように思う。

最近はコロナ対策が緩和されてきているので、「人と会いたい」「恋愛をしたい」という気持ちが出てきて、そろそろ結婚も考えていることもあり、マッチングアプリをやってみた。
ところが、ストレスと感情の高まりによる過覚醒でよく眠れない日が続いたため、1週間ほどであまり見なくなった*1


そこで、一度立ち止まって「愛とは何かについて考えたい」「婚活や恋愛のヒントを得たい」と思って読んだのが『愛するということ』だ。
愛とは何か、「第二章 愛の理論」には以下のように書かれている。

愛とは、愛する者の生命と成長を積極的に気にかけることである。この積極的な配慮のないところに愛はない。

過去を振り返ってみると、大学時代に私のことを積極的に気にかけてくれた女性(彼女は誰にでも優しかった)と関わっていたことがあった。男性の私はその人のことが大好きだった。また、仕事の上司でも私のことを放置せず、気にかけてくれた男性がいて、私はその人のことを尊敬している。

これは友愛*2であり、上司の場合はフロムの言う「条件つきの愛」ではあるが、私のことを愛してくれた人はいたのだと改めて感じることができた。そして、そのように「愛された」「愛されている」と感じることで、人を愛したいと思うようになるのだと考える。
「愛とは何か」を知ることで、過去や現在の愛に気づくことができると思う。

「第四章 愛の修練」においては愛するという技術について述べているが、一般的な技術の身につけ方も述べており、IT技術者としても実践すべき内容である。

愛するという技術に熟達したいと思ったら、まず、生活のあらゆる場面において、規律、集中、忍耐の習練を積まなければならない。

その中で、「集中」について特に詳しく述べており、印象に残った。私は考えることが好きなので、深く集中して考えているときは孤独を感じない。しかし、そのような集中が技術を身に着けること、特に愛するという技術の習得に役立つとは考えていなかった。

私は子どものころから「何かが足りない」と感じ、勉強や仕事が思うようにできずに孤独を感じていたが、足りないものは集中だったのかもしれない。薄々わかっていたのだ。携帯電話を持たず、PCもほとんど使っていなかった中学時代までと比べて深い集中をすることが減ったことを。最近は負担になっていたアプリゲームをやめ、だらだらアプリゲームをやったりTwitterを見たりする時間も減らし、代わりに読書したり考えごとをしたりしていたから、集中の重要性を体感的に理解することができた。

あらゆる物事に集中して取り組むことによって孤独を感じなくなり、正しく人を愛するようになるのだと思う。そのためには、集中できる環境を作ることも必要だろうし、集中できないことをやめるというのも重要に思う。

 

ここまで書いて、愛するということの基本である友愛を実践しようと思ったのだが、最近会っている友達がいない。コロナ禍で社会人サークルの人にも会わなくなって、友達と会わない生活になっている。職場の同僚に友愛は実践できるかもしれないが、深い友愛にはならない。「友達を作るにはどうしたらいいのか」と悩む日々が続き、自己愛を実践しようと思ったのだが、自分を甘やかすのではなく愛するために、今、具体的にどうすればいいのかはわからなかった。

1週間以上経って、別の本を読んで「レジリエンス」という言葉が目についた*3。私は高い感受性や物事を深く処理する性質を持つHSPであり、非HSPと比べてストレスを受けやすい。ストレス要因を減らすのも大事なのだが、それだけだと「ストレスになるから恋愛も結婚もキャリアアップもできないのか」と悩むことになってしまう。

そこでレジリエンス、回復力を高めることで、人付き合いや仕事でのストレスに対応し、活動的な人生を送ることができるのではないかと考えた。ストレスを減らす以外に回復力を高める方法とは食事、睡眠、運動をしっかりすることだと思う。食事は問題ないし、睡眠はストレスを感じるとかえって夜更かしをすることがあるので、運動に注力したいと思う。運動でストレスを軽減して身体的な疲労を感じると、よく眠れるように感じる。

また私は考えることや想像することはよくするが、それが悩むことや脳の疲労にもつながってしまうので、考えずに今に集中するマインドフルネスで脳を休めることも有効だと思う。レジリエンスを高めるということで、自己愛を実践していきたい。

結局今やることは直接恋愛に結びつくわけではないが、少なくとも今の自分には、商品化された人間同士をマッチングして価値を交換する恋活・婚活サービスの消費という手段は合わないと思う。

レジリエンスを高めながら活動的に生きることで自分を愛し、人を愛し、豊かに生きたい。

 

参考文献
愛するということ Kindle
エーリッヒ・フロム著
鈴木晶
2020年9月10日制作
株式会社紀伊國屋書店発行

 

なぜ人に会うのはつらいのか―メンタルをすり減らさない38のヒント

斎藤環佐藤優

2022年1月10日発行

株式会社中央公論新社発行

*1:今はそのサービスを退会した

*2:「私のいう友愛とは、あらゆる他人にたいする責任、配慮、尊重、知のことであり、その人の人生をよりよいものにしたいという願望のことである」『愛するということ』第二章3愛の対象を参照

*3:「心理学用語の「レジリエンス」ですね。「精神回復力」とか「ストレス耐性」とか訳されるのですが、「黙って頑張れ」ではなく、自分を柔軟に変貌させてサバイバルしていく考え方です」『なぜ人に会うのはつらいのか』第5章を参照